プロローグ  7月10日、晴れ、真夏日。中部大会

2000年8月16日 § コメントする

「よっしゃ!ぶっかけるぞ!!」

デパートの屋上で水しぶきが散る。

7月10日、川越高校芸術鑑賞の日。松坂屋屋上には夕方から始まる、留学する友人の送別会に備えての リハーサルの為に川越高校クイズ研究所のメンバーの一部が集まっていた。

そこで押金が遊具となった消火栓を見つけ、清水と二人で的当てに興じていたのだ。「白揚に本でも見に行こか」余興のリハも終わり、清水が押金につぶやいた。

(・・トム=クランシー、買おかなあ、・・いや、少し待てば図書室に入らんとも限らんし・・。)

古賀は文庫の棚の前で考えていた。

(・・悩ます本しかここにはないんか?こう、パッ!と買いたくなるようなのはないんかねー?まー、いいや。新光堂行ってみよ)

さんざん粘って結局買わない方を選んだ古賀は白揚のドアを開け、一時間ぶりに外のぬるい空気を吸う。

「古賀ちゃんやんか!」

「おっしー、カ チャンも!どうしたん?」

声の主を見ると、クイズのチームメイトの二人がそろっている。

「いや、白揚に本でも、 と思って。いやー、こんなとこで会うとはねえ」と、清水。

「チームの絆やな」と、押金。

結局古賀は一分で本 の香り漂う店内へ逆戻りする。

「なーなー、今日さー、夢 に優勝の文字をみたんやわ」

古賀は信じられんやろ、といった表情で二人に語る。

「ん、そりゃあ正夢にせなあかなあ、かっちゃん?」

「そやなー、勝ちたいなー。ところで古賀ちゃん、時間大丈夫?」

「大丈夫でしょ。あと30分くらいあるで。新光堂でも行ってみる?」

「いいね」

7月10日、晴れ、真夏日。高校生クイズはまだ遠い先の話。彼らにとって当面の問題は、どうやって狂言を眠ることなく乗り切るか、そして、余興のドッキリがうまくいくかどうかであった。

広告

コメントを残す

以下に詳細を記入するか、アイコンをクリックしてログインしてください。

WordPress.com ロゴ

WordPress.com アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

Twitter 画像

Twitter アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

Facebook の写真

Facebook アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

Google+ フォト

Google+ アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

%s と連携中

これは何 ?

川越高校クイズ研究所大会参加記録 で「プロローグ  7月10日、晴れ、真夏日。中部大会」を表示中です。

メタ情報

%d人のブロガーが「いいね」をつけました。