「最低」という言葉の意味は。

2011年1月10日 § コメントする


着替えが終わって、各県代表が集められる。プロデューサーの富田氏、そして総合演出担当の人がやってくる。

「ええ、まずはみなさん、おめでとうございます。全国大会に関する詳しい連絡は、後日こちらからいたします。それでは演出担当の方から」

と、富田氏から演出氏に話のバトンが渡される。

「ええ、とりあえずおめでとう。でも沖縄から九州、中国、四国、関東といろいろまわってるけど、君達は最低レベルだよ。このままだとほとんど映らずに帰ってくることになる。全国まであと大体2週間、何をするかで大きく変わる。新聞読むとかそういう努力をしないと一気に落とされるからね」

車座に座っていた各県代表チームの顔が暗くなる。そして話が終わり、皆がバスの方へ向かう。

「そんなに気にするな、どこの大会でも同じ様なこと言ってんだから」

と、富田氏がどこかのチームに向けて話す言葉を耳にした古賀。どちらを信用すればいいのだろうか?

「まあ、詰めも甘かったし、全国レベルで言えば最低、ってのも納得できない話ではないよね」

と、清水。

「見返したらなな」

と、押金。

「んそやな」

と言葉を返して決勝会場を振り返る古賀。

(ん?佐藤さんや。あの人にもほんとお世話になったなあ。)

佐藤さんとは、川越クイ研に注目し、第一問からずっと追い続けてきた、あの福の神のようなおじさんの本名である。

決勝が終わった後でクイ中3人組のもとへ(その時はカメラを連れずに) やって来たが、まさかちょっと目を付けた学校がここまで来るとは思っていなかっただろう。

優勝しちゃったねぇ」

「はいっ!佐藤さんのおかげです!」

「あなたのおかげで勝てました!!」

「いやいや。全国大会もがんばってね」

「はい!ありがとうございました!」

そう言って、彼は仕事に戻っていった。

(・・・学校の人だけじゃなくて、スタッフの人達にもいろいろお世話になったよなあ。)

そう思いながらバスへと向かう古賀だった。

「そう、優勝したで、うん、うん、そう、本当やて。今日はみんなで夕飯食べてくから、うん、そう、はいはい、はい、それじゃあね、はい。」

「ほれかっちゃん、切符。」

「おお、サンキュー古賀ちゃん。」

 

 

バスに乗せられやってきた、最寄りの駅にて。

「かっちゃん、自宅に?」

「うん。」

「俺も しとこう。信じるかなー?」

と、自宅を呼び出す古賀。

「あ、 もしもし、母さん?あのさあ、お盆、九州帰れんわ。え? 優勝したの。え!?ほんとやて。こんな嘘ついて何の得があるの?は!?だから本当だっての!!ちょっと待って、友達に変わるで。・・・ったく、ごめんかっちゃん、ちょっとうちの親に本当だって言ったってくれん?」

と、古賀、清水 に携帯電話をバトンタッチ。

「・・あ、どうも、こんにちは。本当ですよ。優勝しました。はい、はい、はい、どうも。・・・はい、古賀ちゃん」

「ん、サンクス。・・・ね、本当やろ?うん、だから嘘違うっての!はい、はい。今日はみんなでご飯食べに行くって言ってあったよね、うん、うん、そんなに遅くはならんと思うで。はい、はい、そんじゃね、はいはい。・・まったく、こんだけ息子の言うことを信じない親も珍しいわ。」

「ははは。で、結局信じてくれたの?」

「信じた、と思うんやけどねえ。おっしーは?」

「あっちで切符買っとる。」

「あの人せっかく帰りの分も先に買っといたのに、一体何処になくしたんやろなあ?」

「さあ?あ、来たで」

「おっす、お待たせ。いやぁまいったね、せっかく買った切符をなくすとは。押金、不覚やったわ。ところで古賀ちゃん、電車はいつなん?」

「ん、ちょっと待って。・・ええと、今何時や?・・次の電車は、・・あと一分。走れば間に合う」

「え!?あと一分!?」

「そ。さあ走って走って!」

 

 

「まだ終わらんのかなあ?」

「そやねえ。もう終わってもいい時間やもんねえ。」

「終わったら向こうから連絡してくるでしょ。」

チーム押金からの連絡を待ちわびるクイ研タワーズ組。<決勝進出>の連絡からは、なしのつぶて。携帯を鳴らしてもつながらず、待つことかれこれ3、4時間。いつになったら連絡をよこすのか・・・?

「・・お?携帯かかってきとる。かっちゃんからや」

杉山の携帯だった。

「聞かれるまでは黙っとこうな」

「おっけー、おっけー」

名鉄常滑線、名古屋方面行き急行の車内。

クイ中3人は、果たしてどこまで優勝の事実を隠せるのか、といことを試そうとしていた。

「あ、もしもし、杉山?今どこ?うちらは今電車の中。うん、あと20分くらいで着きそう。うん、みんな名古屋駅におるん?あ、そう、近鉄のホーム?ん、わかった。んじゃなー」

「結果聞いてこやんだん?」

「うん、なんも聞いてこなかったで」

(諸岡さんらの予想と違って、かっちゃんら優勝したんと違うかなあ?本人言おうとせんかったけど、声の調子が明らかにうれしそうやもん)そう思いつつも、杉山は口には出さず、皆と共に近鉄のホームに向かった。

全国大会出場は果たしたが、最低との言葉を浴びたチーム押金。その言葉の持つ本当の意味は何なのか?

その答えは見つからぬまま、電車は3人を仲間の待つ名古屋へと運ぶ。

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