信州縦断、列車は夜を駆け抜けて。

2011年1月10日 § コメントする

FIRE号は走り出してしばらく後、とある駅で停車した。

駅名の書かれた看板を見つけ、押金はメモにとるべきか思案した。記録係の古賀はとっくに眠っており、彼のメモ帳とペンは押金の左座席に置かれていた。右を見れば、押金と廊下を隔てて清水が、そのまた右の窓際に古賀が眠っていた。メモをとっても損はないと判断し、彼は古賀のペンを拝借して記した。時間は・・・ホームの時計が見えた。

0時15分、上諏訪。そして、2人に倣って眠りに入ることにした。

目を開け窓の外を見ると、まだ暗かった。右側を見ると、2人はまだ寝ていた。

2人の後方を見ると、ラブニューも寝ていた。押金はその爆睡ぶりを見て思わず笑ってしまった。

1人の時間は長く、いろいろと考えてしまう。

今どこにいるのか?

どこに行くのか?

自分達はどのくらい先まで旅を続けられるのか?

 

弱気になるわけではないが、不安は数えきれない。彼の横をADらしき人が通り過ぎた。

スタッフも大変なんだなあ、とも思いながら窓の外を見ていた。起きてだいぶたって、FIRE号は停車した。何かが始まる気配はない。しばらくして、押金は窓の外に自動販売機を見つけた。

辺りを伺っても、動きはない。今なら行けるんじゃないのか?その瞬間、彼の[脱走]計画が始動した。立ち上がり、スタッフの配置を確かめ、問題ないことを確認すると、彼は扉のあるデッキへと向かった。が、扉は閉まっていた。押金は胸の中でぶつぶつ言いながら席へと戻った。計画は頓挫である。

 

清水の起床は午前4時頃のことであった。列車は未だに長野駅にあり、左を見ると押金が起きていた。右を見ると、古賀はまだ寝ていた。・・・思ったよりも小さい。初めて長野駅を見た感想はそれだった。

その約10分後、FIRE号は長野駅を後にした。

 

4時45分頃、押金はトイレに立った。用を済ませて廊下に出ると、彼の前には人がいた。割と大柄なそのスタッフの後ろについて席に戻った押金。どこで見た人か、はっきりと思い出せない。

そして、シートに身を預けてみるが、どうもしっくり来ない。ふと思い立ち、彼はシート前の床に寝てみることにした。幸いにもその部分はカーペットが二重になっているところだったので、少しは眠れそうだった。

しばらく思考中だった清水も二度寝を企てるが、ことごとく失敗。ふと後ろを見ると、ラブニューが爆睡中であった。押金に目をやると、二度寝から目覚めた彼も爆睡ラブニューを見ていた。2人は目を合わせ、爆笑した。

 

 

風景を見る限り、FIRE号は信州を縦断しているらしい。列車は夜を駆け抜けて、乗客達を新しい一日へと運ぶ。そのダイヤを彼らに伝えぬまま。

 

 

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